
投資用アパート・マンションをめぐるスルガ銀行の不正融資問題で12月15日、多額の借金を背負う購入者側の「被害弁護団」と同行の加藤広亮社長が横並びで記者会見し、共同声明を出した。突然の動きの舞台裏に何があったのか。弁護団の河合弘之・共同団長は「1週間前に加藤氏から親書をもらった。びっくりした」と会見で明らかにした。東京地裁への民事調停申し立てから3年10カ月。銀行が弁護団に歩み寄った裏側に、超党派国会議員の働きかけで尻に火が付いた金融庁が透けて見える。
共同会見では、加藤氏がまず口を開いた。「最初にアパマン問題の『被害者』の皆様に深くおわび申し上げる。長期間にわたりご心配、ご心労をおかけしました」と頭を下げた。銀行は購入者を「債務者」と呼び、この1年間借金取り立ての圧力を強めてきた。その姿勢を転換し、不正融資で被害を与えた「被害者」に位置づけを変えたことを印象づけた。
一方の河合氏は「今回、スルガ銀行から大幅な譲歩、大幅な誠意の開陳をいただいた」と発言した。そして加藤氏の親書で「覚悟を持ってアプローチしてきたと理解した」と述べた。横に座った山口広・共同団長も「大きなチャンスと思った」と言葉を添えた。
親書には解決に向けた加藤氏の考え、銀行側が歩み寄る返済支援策が書かれていたとみられる。そのうえで1週間後の15日に会見を開き、弁護団トップの同席を求めた模様だ。その日は調停の期日で、地裁の調停勧告を最終的に受け入れるかどうか双方が表明する手はずだった。
しかし今回、スルガ銀行が司法の勧告に全面的に従った形で121億円の支払いに応じたことは、世論や金融庁などの社会的要請を強く意識した判断とみることができます。
金融庁も早期解決を求めていると報じられており、銀行の経営責任や信頼回復の観点が影響した可能性が高いです(銀行は規制業種ですし、「お上」には弱いということでしょう)。
